前回の記事では、ロンドンのラーメン、一風堂について書きました。
今回は、一風堂の前にあるラーメン屋さん「金田家」です。
ニューヨークやパリなどに進出している日本のラーメンですが、ロンドンに新たな激戦区ができています。
ここ数年、ロンドンの食通の間でも話題になっているのがラーメン、とりわけ豚骨ラーメンです。
その中でも注目されているのが、「金田家 KANEDA-YA RAMEN BAR」です。
ロンドンの中心部、ソーホーにあり毎日行列ができています。
本店は福岡にあり、グルメサイトの食べログで九州No.1になっている有名店です。
ロンドンの金田家は、今年の8月末にオープンしましたが、今では1時間待ちの行列も当たり前になっています。
自慢のメニューは、濃厚なのに全く豚骨の臭みのないスープです。
特徴的なのは、スープの表面にたくさんの泡が浮かんでおり、そのことにより面にスープがタップリ絡みやすくなっていることです。
オリジナルラーメンの値段は、10ポンドですから日本の価格から考えるとかなり高めの設定です。
長い行列ができていることから、ロンドンっ子の評判も上々です。
金田家の本店は、福岡県行橋市にあり、店には黒豚とんこつの表示がされています。
店の大将の金田さんは、元競輪選手で6年前にラーメンを独学ではじめました。6年で、ロンドンに店を持つようになったのですから大したものです。
本店でも一番のこだわりは、スープです。納得のいくスープが出来なかった日には店を閉めるほどです。
順風満帆のロンドン・金田家のようですが、10月に入って緊急事態が起こっています。
店の真横にラーメン店、一風堂が開店したからです。
博多一風堂は、世界に120店舗を展開する豚骨ラーメン界の大手チェーンです。
もちろん、金田家でも一風堂対策として、スープの改良等を施しています。
それは、一風堂とも同じ悩みで、イギリスの豚骨には肉片や革が付着しており、どうしてもスープに臭みが出てしまうからです。
ですから、骨の肉返答を全て取り除き、1時間毎に手をかけながら18時間かけてスープを煮込んでいます。この骨の肉片対策は、一風堂もしています。
しかし、一風堂は席数が80席と金田家の3倍以上もあり、資本力にものをいわせてPRなども派手にしますので、金田家も相当危機感を持っているようです。
また、一風堂の看板メニュー、「赤丸新味」は11ポンドと金田家とそう変わりがありません。
博多一風堂のラーメン イメージ Photo bymidorisyu
このように日本、福岡の豚骨ラーメンがロンドンで激戦を展開し、そのことによってより良いラーメンをイギリス・ロンドンに提供することにより、日本の食文化、「すする」文化が広まることを期待しています。
国によって好みが異なるラーメンの味
補足ですが、国によってラーメンの好みが異なっており、ちなみにロンドンでは、豚骨が主流ですが、これは脂が浮いているのがあまり見えないという見た目重視だそうです。
同じようにニューヨークでも豚骨が一番人気です。
フランス、ドイツ、ベルギーでは味噌ラーメンが主流で、これは味噌自体に高級なイメージがあるとのことです。
意外にもしょうゆ・塩ラーメンはあまり好まれていません。
この理由は、新横浜ラーメン博物館の中野氏によると、海外には日本ならではの「だし」の文化がないので、しょうゆ味や塩味は調味料そのものの味をイメジしてしまうからだそうです。
それで、英語に直訳した時の表現、ネーミングを工夫すれば、もっと人気がでるのではないかとの意見です。
◯ Kanada-Ya
64 St Giles High Street WC2H 8LE London
Telephone – 0207 240 0232
Opening hours: Monday to Saturday 12pm-3pm and 5pm-10pm